天気予報とトムラウシ&美瑛岳の遭難
2009-07-23 Thu 21:00
トムラウシと美瑛岳の事故を「自分のこと」として考えるため
発表された天気予報を中心に振り返ってみようと思います。

実際に行動する際は、天気予報文を参考に、
現場実況を判断しつつ、天気はどうなるかなぁ・・・と
考えるわけですからね。


以下に引用の形で掲載している天気予報文は、すべて
旭川地方気象台が上川地方の天気予報として発表したものです。
通常、1日に3回定時に発表されますが、5時と17時のみ掲載しました。
ネットでは拾えない情報ですので、お役立てください。
また、天気図は気象人に掲載されているものです。


さて、トムラウシのツアーは、7月13日に千歳に入り、
旭岳に移動、宿泊です。13日の朝9時の天気図は以下です。

  090713天気

低気圧が来ていますね。
天気は大丈夫かな・・・と心配にもなりますが、
日数もあるし、良くなるだろう・・・などと考えたりするものです。

さて、旭岳に到着し、その日の夕方、
発表された天気予報は、以下となります。

7月13日17時00分 発表

天気予報
 今夜
  北の風
  雨 夜遅く 曇 所により 夕方雷を伴い 激しく降る

 明日(7月14日)
  北 後 北西の風
  曇 昼前から夕方に 晴

 明後日(7月15日)
  南の風 後 南東の風
  曇 後 一時 雨

降水確率
 今夜(18-00) 60%
 明日(00-06) 10% (06-12) 0% (12-18) 10% (18-24) 0%



低気圧が抜けて、北から北西の風が残るものの
午後には天気は良くなりそうです。
山岳ですから、回復が遅れたとしても、雨の心配はあまりないようです。


7月14日の朝、出発前に、もう一度、定時の天気予報を確認しましょう。

7月14日05時00分 発表

天気予報
 今日
  北西の風
  曇 昼前から 昼過ぎ晴

 明日(7月15日)
  南東の風 後 南の風やや強く
  雨 所により 昼前から 雷 を伴う

降水確率
 今日(06-12) 0% (12-18) 10% (18-24) 10%
 明日(00-06) 50% (06-12) 70% (12-18) 70% (18-24) 60%



トムラウシのツアー初日、楽しい日になりそうです。
そして、実際の14日の朝9時の天気図は以下となります。
(先ほどのクローズアップ現代の映像では、綺麗に晴れていました)

  090714天気


さて、初日のトレッキングも終わり、明日(15日)の天気を確認しましょう。
今朝の予報でも、明日は天気が悪くなりそうなので、心配です。

7月14日17時00分 発表

天気予報
 今夜
  北西の風 後 南の風
  晴 夜 曇

 明日(7月15日)
  南の風 後 やや強く
  雨 所により 昼前から夕方 雷を伴い 激しく降る

 明後日(7月16日)
  南の風 後 西の風
  雨 後 曇

降水確率
 今夜(18-00) 10%
 明日(00-06) 70% (06-12) 80% (12-18) 80% (18-24) 60%



試練というか、我慢比べの1日になりそうな予報です。
気温予想は載せておりませんが、朝の最低気温17℃となっています。
とはいえ、この時期にこの気温は特に低いわけでもありません。

標高2000mなら、4-5℃になり、なおかつ吹きさらしですから、
防寒対策(特に濡れ対策)がしっかりしていないと厳しい条件です。



15日の朝、出発前にもう一度、天気予報を確認します。

7月15日05時00分 発表

天気予報
 今日
  南東の風 後 南の風 やや強く
  雨 所により 昼前から夕方 雷を伴い 激しく降る

 明日(7月16日)
  南西の風 やや強く 後 北西の風
  雨 昼前から 曇 所により 明け方まで 雷を伴う

降水確率
 今日(06-12) 80% (12-18) 80% (18-24) 70%
 明日(00-06) 70% (06-12) 50% (12-18) 10% (18-24) 10%



昨晩と特に変わらず、厳しい1日となる予報が出ています。
出発後、15日の朝9時の天気図は以下となります。

  090715天気

全国的には、昨日(14日)に関東地方が梅雨明けし、
引き続き、15日も日本海側でフェーン現象が起こるなど暑い日でした。
15日は、北日本は平年並〜やや高めの気温でした。



我慢の1日が終わった15日夕方、明日の天気予報を確認します。

7月15日17時00分 発表

天気予報
 今夜
  南の風
  曇 夜のはじめ頃 雨 上川北部では 雷を伴う

 明日(7月16日)
  南西の風 後 北西の風
  曇 明け方まで 雨

 明後日(7月17日)
  北の風
  曇 時々 晴

降水確率
 今夜(18-00) 50%
 明日(00-06) 70% (06-12) 40% (12-18) 20% (18-24) 10%



明日の朝の最低気温予想は18℃(2000mなら5-6℃)となっており、
寒冷前線が通過後、北寄りの風が午前は残りそうです。
ただ、全体としては夕方に向かって良くなっていくようです。


16日の朝、もう一度、天気予報を確認してみます。

7月16日05時00分 発表

天気予報
 今日
  南西の風 後 北西の風。上川北部では 南西の風 やや強く
  曇 所により 朝まで雨

 明日(7月17日)
  北西の風
  晴 明け方まで 曇

降水確率
 今日(06-12) 20% (12-18) 0% (18-24) 0%
 明日(00-06) 0% (06-12) 0% (12-18) 0% (18-24) 0%



出発の時点は、雨も降っており、風もありました。
天気の大きな傾向としては、回復傾向にありますが、
前日のハードな1日を考えますと、いろいろな考えが浮かびます。

出発後、16日朝9時の天気図は以下となります。

  090716天気



■■簡単なまとめ■■
簡単に整理すると以下のようなことが言えると思います。

 ・総観場では特徴的なものはない
 ・強い寒気流入などもない
 ・低気圧が急激に発達したわけでもない
 ・気温は全体的に平均〜やや高め

「北海道の山は本州と違う」と言う方もいらっしゃるようですが、
きっと「北海道Love」なんでしょうね。愛は盲目といいますし。

山岳であれば、よくあるコンディションかと思います。
「夏とは思えない気温」になっているわけでも、
「本州では経験できないような気象」でもありません。


天気予報は、時間的かつ空間的に大きな傾向を把握するために使い、
現場実況では、今ある現象が、果たして
・時間的にどのぐらい継続しうるものか?
・空間的にどのぐらいの規模を持っているのか?
という二つの視点で考えることが大事かと思います。


思いの外、風が強かったのには理由があります。
ただ、本筋の話ではありませんし、安定大気ではありうることなので
また機会があったら別途エントリしようと思います。


 
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